おかげでApp Store見る回数がドンドン減ってるのですが、なぜこのブーストがiPhoneを支えてるのか? という話です。今日は。
実際、潰そうと思えば潰せるんです。GooglePlayと同じような稼働率重視のアルゴリズムを使って、ブーストが効かない状態にすれば良いですもんね。
では、なぜAppleはブーストの存在を許しているのか説明します。
答えは、
AndroidとくらべてiOS端末の数が圧倒的に少ないから...です。
結局2014通年でAndroidが81.4%に拡大、iOSは14.8%に減少 世界スマホOSシェア
http://appllio.com/20150225-6201-2014-smartphone-share-android-ios-idc
はい。分かりにくいですね。
AndroidとiOSはだいたい6対1くらいの差があります。
その状態でApp StoreはGooglePlayに売り上げで圧勝してる訳です。すごいですよねぇ。
Google Play対App Store、売り上げではApp Storeが圧勝
http://iphone-mania.jp/news-60657/
端末の数はandroidが圧勝してる。
だけど売り上げはiOSが圧勝してる。
この差は
1.端末、OS構造の違い
2.ユーザー属性(国、国民性、所得)の違い
3.ランキングアルゴリズムの違い(=プロモーションが効きやすいか否か)
4.市場にあるアプリの違い
※現在4はiOSとandroidに大差ない状態です。
これらの要素によって生まれてる訳です。
3と4だけ覚えといてください。重要です。
もしこの状態でランキングアルゴリズムをGooglePlayと似たような感じにすると
(3の違いをなくすと)
数百万円でApp Storeランキング上位に入るのが困難になるのでブーストが死にます。そうなるとnendやimobileのようなアドネットワーク広告を使ってCPI700円でも採算があうところしか生き残れなくなります。
※カジュアルゲーム的なアプリは"ほぼ"全滅するでしょう。
広告費をたくさんかけてもApp Storeのランキング入りによる自然流入を得られない状態。
それはすなわち、アプリを作るリスクが高まることにつながります。
今までハイリスク・ハイリターンだったのが、
超ハイリスク・ハイリターンになります。
すると、ハイリターンを得るディベロッパーの参入が減るので
端末の数はandroidが圧勝してる。
だけど売り上げはiOSが圧勝してる。
端末の数が6対1なので、売り上げの”差”が逆転することが十分あり得ます。
参入してるアプリディベロッパーからすると、iOSアプリでの売り上げが期待できないのであれば、androidアプリだけ作れば良いんじゃないの?ってことになりますよね。(つまり4がandroid有利になる)
売り上げ差が縮まる→androidアプリだけ作るディベロッパーが増える→iOSの売り上げが減る→参入するディベロッパーの数が減ることでiOSアプリの質が下がる→iPhoneが売れなくなる→androidアプリだけ作るディベロッパーが増える→iOSの売り上げが減る→略
ってことです。
これって、Windowsにボロ負けしたmacを彷彿させますよね。
「でもmacって対応ソフトが少ないんでしょ?」
的なアレ。
ゆえにアプリディベロッパーの数がめちゃめちゃ大事なんです。
プラットフォームは一旦負けが決まると、そっから先は規模の優位性やネットワーク効果でどんどん差がついていきます。
したがって、Appleは意図的に広告費をかければランキングが上がりやすくなる仕組みを放置してるんです。
めっちゃカンタンに書くと、
広告費をかければランキングが上がる仕組みがある。
↓
すると、広告費をかけて大きく売り上げを得る(可能性が高い)アプリがたくさん入ってくる。
↓
その結果App Storeの売り上げが上がる。
これだけが、アプリディベロッパーにとってシェアの少ないiOSアプリを作り続ける理由になります。これがなきゃ誰がアプリを作るんだと。さらに言うと、アプリの無いiPhoneを誰が買うのかと。
ということで、App Storeの売り上げを無理やり高くしてなきゃiPhoneは死ぬんです。
そうです。死ぬんです!
以上、嘘でした。