2015年5月15日金曜日

App Storeのランキングを揺るがすブーストこそがiPhoneの存在を支えてる

毎日毎日どこかの誰かが100万円使ってブーストでApp Storeのランキングを汚してます。

おかげでApp Store見る回数がドンドン減ってるのですが、なぜこのブーストがiPhoneを支えてるのか? という話です。今日は。

実際、潰そうと思えば潰せるんです。GooglePlayと同じような稼働率重視のアルゴリズムを使って、ブーストが効かない状態にすれば良いですもんね。

では、なぜAppleはブーストの存在を許しているのか説明します。

答えは、
 AndroidとくらべてiOS端末の数が圧倒的に少ないから...です。

結局2014通年でAndroidが81.4%に拡大、iOSは14.8%に減少 世界スマホOSシェア 
http://appllio.com/20150225-6201-2014-smartphone-share-android-ios-idc

はい。分かりにくいですね。

AndroidとiOSはだいたい6対1くらいの差があります。

その状態でApp StoreはGooglePlayに売り上げで圧勝してる訳です。すごいですよねぇ。

Google Play対App Store、売り上げではApp Storeが圧勝
http://iphone-mania.jp/news-60657/

端末の数はandroidが圧勝してる。
だけど売り上げはiOSが圧勝してる。

この差は

1.端末、OS構造の違い
2.ユーザー属性(国、国民性、所得)の違い
3.ランキングアルゴリズムの違い(=プロモーションが効きやすいか否か)
4.市場にあるアプリの違い
※現在4はiOSとandroidに大差ない状態です。

これらの要素によって生まれてる訳です。
3と4だけ覚えといてください。重要です。

もしこの状態でランキングアルゴリズムをGooglePlayと似たような感じにすると
(3の違いをなくすと)
数百万円でApp Storeランキング上位に入るのが困難になるのでブーストが死にます。そうなるとnendやimobileのようなアドネットワーク広告を使ってCPI700円でも採算があうところしか生き残れなくなります。
※カジュアルゲーム的なアプリは"ほぼ"全滅するでしょう。

広告費をたくさんかけてもApp Storeのランキング入りによる自然流入を得られない状態。
それはすなわち、アプリを作るリスクが高まることにつながります。

今までハイリスク・ハイリターンだったのが、
超ハイリスク・ハイリターンになります。

すると、ハイリターンを得るディベロッパーの参入が減るので

端末の数はandroidが圧勝してる。
だけど売り上げはiOSが圧勝してる。

という状態が壊れることになります。

端末の数が6対1なので、売り上げの”差”が逆転することが十分あり得ます。

参入してるアプリディベロッパーからすると、iOSアプリでの売り上げが期待できないのであれば、androidアプリだけ作れば良いんじゃないの?ってことになりますよね。(つまり4がandroid有利になる)

売り上げ差が縮まる→androidアプリだけ作るディベロッパーが増える→iOSの売り上げが減る→参入するディベロッパーの数が減ることでiOSアプリの質が下がる→iPhoneが売れなくなる→androidアプリだけ作るディベロッパーが増える→iOSの売り上げが減る→略
ってことです。

これって、Windowsにボロ負けしたmacを彷彿させますよね。
「でもmacって対応ソフトが少ないんでしょ?」
的なアレ。

ゆえにアプリディベロッパーの数がめちゃめちゃ大事なんです。

プラットフォームは一旦負けが決まると、そっから先は規模の優位性やネットワーク効果でどんどん差がついていきます。

したがって、Appleは意図的に広告費をかければランキングが上がりやすくなる仕組みを放置してるんです。

めっちゃカンタンに書くと、

広告費をかければランキングが上がる仕組みがある。

すると、広告費をかけて大きく売り上げを得る(可能性が高い)アプリがたくさん入ってくる。

その結果App Storeの売り上げが上がる。

これだけが、アプリディベロッパーにとってシェアの少ないiOSアプリを作り続ける理由になります。これがなきゃ誰がアプリを作るんだと。さらに言うと、アプリの無いiPhoneを誰が買うのかと。

ということで、App Storeの売り上げを無理やり高くしてなきゃiPhoneは死ぬんです。

そうです。死ぬんです!



以上、嘘でした。


2015年3月6日金曜日

マクドナルドが凋落した理由は時間戦争に負けたから

横浜の社長です。
せっかくまともなオフィスを引っ越したのに、
椅子がどーにもしっくりこずスタバで仕事をする日々です。

社長をやってると他の業界で伸びてる所、伸び悩んでる所をそれなりに研究するんです。
生き残るために必死ですもん。

そこでマクドナルドですよ。
なぜマクドナルドの勢いが弱まってるのか。
すごく気になりますよね。

巷では
・カラダに悪い商品だから売り上げが鈍った
・メニュー非表示問題で反感を買った
・異物混入するような体制でファンが減った

これらの問題でマクドナルドは終わったとか言われてる訳です。

ほんとかと。アホかと。
なんか胡散臭いですよねぇ。

独占系ビジネス※の売り上げが上下する時は外部に要因を求めるほうが自然…なハズ。

という訳で、私見なんですけど、
マクドナルドは”時間戦争"で負けたことが売り上げを減らした大きな原因だと考えています。
商品の善し悪しは関係ありません。

その時間戦争の勝者は…スターバックス(というかコーヒー系全て)です。

解説します。

ファストフード系ビジネスの売り上げのピークはランチタイム
それ以外の時間はそこそこ。

一方、スターバックス等のコーヒー系ビジネスの売り上げが上がる時間は、朝の仕事前、昼食後〜夕方、夕食後〜と幅広いです。つまりランチと夕食以外の時間です。

一見するとぶつからないように見えますが、
スターバックスはマクドナルドの"ランチ以外の売り上げ"をごっそり持っていった、というのがこの記事の結論になります。

分かりやすく言うと、以前までのマクドナルドは
・食事の場
・コーヒーの場
・雑談の場
・勉強の場
・仕事の場

だったんですけど、今は
・食事の場

だけ。

それ以外を全部失ってるつーことです。
これがマクドナルドの敗因です。

そりゃ500円で良い”時間”を過せるのはスターバックスの方ですからね。

データを見てみよう


この売り上げを見てください。
右肩上がりとはこのこと。すげぇな。スターバックス。
参照
http://ascii.jp/elem/000/000/925/925378/

ちなみにマクドナルドはこんな感じ。

参照
http://1.bp.blogspot.com/-BwgTji_ZSv8/Uv2zoo3khJI/AAAAAAAABwc/tdhwkgzsJ60/s1600/%25E3%2582%25B9%25E3%2583%25A9%25E3%2582%25A4%25E3%2583%25892.GIF

2つのグラフに関連性はねーじゃねーか。なら証明になってねーよクズ!
と思われるかもしれませんがその通り。証明になってません。どーん。

ただ、僕の解釈は

・マクドナルドの24時間営業
・プレミアムコーヒーの販売

これらの施策で、お客様の時間を一時的に大きく得ることに成功した、という考えです。これらが時間戦争的にすごく良い手だったと。

しかしながら伸びしろがそんなになかった、と。
というか、スターバックス(コーヒー系)がその伸びしろを奪ったんでしょう。

そもそもハンバーガー業界の市場は飽和してて、これらの施策が無ければもっと早く頭打ちを迎えていたのじゃないかと思っとる訳です。マクドナルドはここから先、有効な手が打てなければまだまだ落ちるのかもしれません。

ゆえにマクドナルドは家族向けに力を入れるとかじゃなくて、ランチ以外に収益源を見い出せと。戦える時間を増やせと。そう言いたい訳です。

僕ならランチ後13時〜18時の特別スイーツメニューを用意&何か買った人にはコーヒーはタダ(←自分で入れる方式)&椅子と机を変えるかなぁ。

以上!

同じ現象がアプリにも起きてるからひじょーに怖い。
時間を奪う側になりたいよねぇ〜。

がんばろっと。